日記

バックナンバー

[先月] [目次] [来月] [最新版] [トップ]

2011年2月12日(土) 常陽リビングの記事

  常陽リビング2011.2.11 Hot news まち
  誰もが気軽に交流「サロンよってくべ」
  取手の竹内雅美さんが「ほっと」できる居場所づくり

 年齢や障害の有無の垣根を超えて誰もが気軽に交流できる場所をつくりたいと、取手市に住む手話通訳士・竹内雅美さん(66)が同市内に[サロンよってくべ」をオープン。「ほっと一息」できる空間にさまざまな笑顔の輪が広がっている。
 竹内さんは15年前に夫を亡くし、そのショックから家に引きこもる日々を経験した。立ち直ったきっかけは友人が誘ってくれた取手市主催の手話講座。初めての体験ですっかりとりこになり、手話サークル活動に参加する一方、都内の専門学校で猛勉強し難関の手話通訳士の資格を取得。
 自分の子どもたちが参加していたボランティア活動で障がいがある人たちと出会い、交流を深めるうちに障がいの有無やお年寄り、若者、寂しい人、子育て中の母親などさまざまな人が互いを認め合い、自由に過ごせる居場所づくりを思い付いた。「気兼ねなくゆっくり過ごせる人のぬくもりを感じられるスペースにしていきたい」と竹内さん。サロンでは障がい者や介護者の情報交換、ベビー手話・指点字講習、手話DVD鑑賞会なども行っている。利用料100円(4時間)、のみ物200円から。利用時間午前10時〜午後6時(月〜金曜)。
 問い合わせ 電話 0297(74)1105/竹内さん

 写真は、いつも笑顔で出迎える竹内さん(上)。母親たちの子育て談義もにぎやかに

2011年2月16日(水) 新保さんからのメール

題名 : [tomo-ml :440] 盲ろう者関連テレビ番組
差出人 : シンポ トシミ
宛先 : "tomo-ml"
受信日時 : 2011年 2月16日(水曜) 18時48分

千葉友の会から、番組のお知らせを頂きましたので、ご存知かもしれませんがお知らせします。

−−ここから−−
NHK教育テレビ番組
『ろうを生きる 難聴を生きる』

2011年2月20日(日)19:30〜19:45
再放送  2月25日(金)12:45〜13:00
       27日(日)19:30〜19:45
     3月 4日(金)12:45〜13:00

「盲ろうについて知っていますか?」
〜盲ろう者妻の“手作り授業”〜

 都内に住む渡井真奈さん(36歳)は、夫が盲ろう者で、5年前から、
小学校や幼稚園で、盲ろう者について知ってもらうための授業を企画・運
営している。
 授業には、実際に盲ろう者を講師に招き、点字や手話についてのクイズ、
子どもたちに実際に盲ろう者の手引きをしてもらう。真奈さん手作りの紙
芝居で、盲ろう者についてわかりやすく伝えるなど、子どもたちに親しみ
やすい内容になっている。
 去年は、小学校4年生の子どもたちが授業の後、子どもたちがみずから
もっと障害者について知りたいと、テーマを決めて学習し、それを模造紙
にまとめて低学年の子どもたちに伝えるなど広がりをみせている。真奈さ
んには2人の子どもがいるが小学校3年生の長男は、今では父親の外出の
サポートを積極的に担うなど、真奈さんの試みは父と子の絆(きずな)も
深めているという。「盲ろう者についてもっと知って欲しい」と活動する
真奈さんの思いを紹介する。

2011年2月21日(月) 石田良子さんが書き起こしてくれたテレビ番組

    NHK教育テレビ
  2011年2月20日
  19時30分〜19時45分
  「ろうを生きる 難聴を生きる」
 この番組は、解説放送(副音声)です。
      書き起こし 石田良子

 『』内は、ナレーターの声(女性)。
 ()内は、画面説明。

 (小学校の教室、体育館かも知れません。小学生、4年生ぐらいでしょうか、が、盲ろう者の手引きをしたり、机の上で、盲ろう者の指に、指点字を打ってみたりしています。
 床に座った大勢の小学生たちが、耳や目を手でふさいでみたりしている。
 前に置かれた机には、盲ろう者、田幸勇二さんと、川崎三千夫さんが、通訳者と並んで座っている。後ろに控えの通訳者がいます。
 横に立って話をしているのは、渡井真奈さん)
 『見えない、聞こえない盲ろう者。多くの盲ろう者は暗闇の中に閉じ込められ、社会との接点が持ちづらいといいます。渡井真奈さん。盲ろう者の現状を知ってほしいと、小学校や幼稚園を回って、授業をしています』
 真奈「今、田幸さんは指点字という方法で指に点字を打ってもらっているんですね」
 『渡井さんの思いは、子供たちに伝わるのか。その試みをご紹介します』
 (真奈さんの問いかけに、座っている子供たちの何人かが、手を上げている)
 (画面はスタジオ。白くて丸いテーブルが2脚それぞれのテーブルの上には花束が置いてある。左のテーブルには、プレゼンテーターの女性、内山久美子さんが座り、手話を交えて話をします。右のテーブルには、渡井夫妻が座り、テーブルの上で、真奈さんが秀匡《ひでただ》さんに指点字で通訳をしている)
 内山「スタジオには、渡井真奈さん、夫の秀匡さんにお越しいただきました。よろしくお願いいたします」
 渡井夫妻「よろしくお願いします」
 (渡井さん夫妻が話すときは、隣に手話通訳者の、穂積美沙子さんが座って手話通訳をします。真奈さんが話す時には、秀匡さんには指点字通訳はしていません。多分、聞こえているのだと思います)
 内山「秀匡さんは目は見えず、耳は難聴です。補聴器を付けている側から話せば聞こえますが、聞こえない場合は、このような指点字、指を点字のタイプライターに見立ててタッチして、話の内容を伝えるという方法でコミュニケーションします」
 (真奈さんの指点字のクローズアップ)
 内山「さて、真奈さんは、5年前から学校や幼稚園で盲ろう者について知ってもらうための授業をしているそうですが、きっかけは何だったんでしょうか」
 真奈「私が主人と一緒に歩いている時に、白杖を持っているということと、主人は足が完全に曲がらないなどの不自由もあって、歩き方が見慣れないところがあるんですけど、お子さんによく見られるんですね。じっと。それである日、お母さんとお子さんが一緒に歩いていて、お子さんが、あの人何?ってお母さんに聞いていたんですけど、その、聞かれたお母さんが、見ちゃだめよって言って、足早に去ってしまったんですね。それが私にはすごく悲しいできごとで。ちょうど同じぐらいの時期に、長男が幼稚園の時だったんですけど、幼稚園の先生に、今度父親参観があるんですけど、その時に、他のお子さんにひろとくんのお父さんのことをどう説明したらいいですか?って言われたこともありまして、そういういろいろな経験が重なって、お子さんにどうやって分かってもらったらいいかなと考えるようになりました。小さいうちから知っていたくことで、とても素直に偏見の目で見ることなく受け止めてもらえるんじゃないかなと思っています」
 内山「夫の秀匡さんは、奥さんの真奈さんの活動をどんなふうに思っていらっしゃるんでしょうか」
 秀匡「はい、そうですね。目が見えなくて、耳が聞こえないというと、アメリカのヘレン・ケラーがすごく有名だと思うんですね。ほとんどの子供たちが、本の伝記でヘレン・ケラーを知っていますけれども、でも、実際に盲ろう者が身近にいるというのはほとんどの人が知らないと思うんですね。盲ろう者は全国に2万人ぐらいいるといわれていますけれど、なかなか会う機会がないと思うんですね。妻のこういう活動を通じて、子供たちが盲ろう者と会って、盲ろう者が身近にいるんだということを知ってもらうのに、とてもすばらしい機会になっていると思います」
 内山「そんなお二人は、現在子育て中でもあります。では、ご家庭の様子、そして盲ろう者を知ってもらうための授業の様子をご覧いただきましょう」
 (渡井家のリビング。壁に子供の書いた絵がたくさん貼ってある。テーブルで、秀匡さんと長男が、将棋を指している。そばに真奈さんと女の子がいる)
 『渡井さんご夫妻は、東京杉並区に住んでいます。秀匡さんは盲ろう者を支援する仕事をしています。二人は今、小学校3年生の息子、ひろとくんと、6歳の娘、みうちゃんの子育て中です』
 ひろと「角の前に飛車」
 秀匡「じゃあ、角を取る」
 『将棋の駒には点字がついています。秀匡さんは点字を読み取り、ひろとくんと将棋を楽しみます』
 (将棋版には、縦横の線の代わりに、少し厚みのある枠が付けてある)
 (みうちゃんが、お父さんの手に手を重ねています)
 『みうちゃんも、最近指点字を覚え始めました』
 (バックに音楽が流れ始める。画面は13年前のスナップ写真)
 『真奈さんが秀匡さんと出会ったのは13年前。大学で福祉を学んでいた真奈さんが、盲ろう者の交流会に参加したのがきっかけでした。盲ろう者と接するのは初めてだった真奈さん、当時大学生だった秀匡さんのひたむきな生き方にひかれたといいます』
 真奈「考え方がすごくしっかりして、自立しているというか、一人暮らしもしてたので、一通り身の回りのことはできるし、そういう意味ですごくしっかりしている人だなと思えて」
 『3年後結婚、二人の子供が生まれ、真奈さんは学校の友達にも、盲ろう者について知ってほしいと思うようになりました』
 (結婚式当日の写真。体の小さい秀匡さんは、少しだぶついたモーニングで、蝶ネクタイ。胸にブーケを付けています。ちょっと照れてふざけた顔をしています。真奈さんは白いドレスで、頭に花の冠を乗せ、秀匡さんに寄り添っています)
 (住宅地の道を、5人の人が歩いてきます。白杖を持った盲ろう者、田幸さんと川崎さん、それぞれ女性の通訳者と、田幸さんは指点字、川崎さんは触手話で話しながら歩いてきます。中央に、自転車を押しながら、真奈さん。自転車には、荷物がたくさん積まれています)
 『真奈さんが企画する盲ろう者を知ってもらうための授業の日がやってきました。子供たちは盲ろう者に触れ合う機会がありません。そこで講師には、盲ろう者を二人招きました。訪れたのは、長男のひろとくんが通う杉並区の小学校です』
 (小学校の校庭。校舎から出てくる大勢の子供たち)
 『小学校の4年生100人あまりを対象にした授業です』
 (番組始めの場面に戻る)
 真奈「盲ろうというのは、目と耳と両方不自由な方のことを言うんですね」
 田幸「田幸です。私は小さい頃から耳が聞こえません・・・」
 (田幸さんは手話と音声で話します。通訳者が、音声を大きな声で繰り返して伝えています)
 川崎「会社で仕事をしているときです。会社の中で仕事の時に爆発がありまして、視力がだんだん落ちて行きました・・・」
 (川崎さんは、音声は使わず手話で話します。通訳者が、手話読み取り通訳をします)
 真奈「ちょっとみんな目をつぶってみてください。目をつぶったまま耳に指を入れて。盲ろうの方というのは、ずっとそういう感じですね。テレビを見ることも難しい。なかなか一人で外に出られないんで、お話する機会が無いんですね」
 (床に置かれた点字ブロックの上を、目隠しして、白杖を持った女の子が歩いているます。ブロックから外れて倒れそうになったりしています)
 『真奈さんは、実際に子供たちに盲ろう者の困難を体験してもらうことを大切にしています』
 真奈「一緒に歩くことを、手引きといいますが、手引きをすることになりました。でも、どうやって手引きをしたらいいんでしょうか」
 『盲ろう者が歩く時の誘導も体験します』
 (子供たちが大勢手を上げています。選ばれた男の子が、前に出ます)
 真奈「川崎さんを手引きしてください」
 (いきなり川崎さんの白杖をつかもうとする男の子。会場の子供たちから「だめ!」と声あり。今度は、川崎さんに腕をつかんでもらって歩き出す。会場から「速い速い」と声あり)
 真奈「歩く時は、あんまり速いペースで歩かないで。自分だけが歩ければいいんじゃないの」
 (慎重にゆっくり歩く男の子。川崎さんがニコニコしながらついて歩いています)
 『盲ろう者が街を歩く時は、周りが見えないだけでなく、車の音も聞こえません。真奈さんはあらゆることに注意を配った手引きの大切さを伝えます』
 『盲ろう者は手話が見えないので、特別なコミュニケーション方法で会話をします』
 真奈「今、田幸さんは、指点字という方法で指に点字を打ってもらっていますね。で、川崎さんは触手話といって、手話を触って読み取る方法でお話をしています」
 (二人の会話方法を写す。次に、大きな紙に書いた点字と指点字の表を張り出して説明しています)
 『指点字とは、点字のタイプライターを打つようにして、相手の指に50音を伝える方法です』
 真奈「お名前を打ってみたい人」
 (大勢の子供が手を上げる。選ばれた女の子が、川崎さんの手の上に指を乗せる)
 真奈「こうやって手をピアノを打つように乗せて、1の点と4の点を、ポン」
 川崎「ありがとう」
 (今度は男の子が指点字に挑戦。画面には映って今線が、田幸さんも指点字を受けていると思います)
 『こうして盲ろう者と触れ合うことで、子供たちに盲ろう者のありのままを感じ取ってほしい。それが真奈さんの願いです』
 (子供たち全員立ち上がって、「ありがとうございました」)
 (授業が終わって部屋を出る子供たちにインタビュー。子供たちの声)
 女の子「見えない人に初めて会って、ちょっと緊張したけど、楽しかったです」
 女の子「出かけてるときとかはどうしてるのかって思ってたけど、質問して良くわかったから、勉強になったと思いました」
 男の子「盲ろうの人って、やっぱり苦しいんだなと思った」
 インタビュアーの声「これからそういう人に会ったら、どうしたい?」
 男の子「今日、学んだことをやる」
 (渡井家の部屋。壁の絵の大写し。パパとママの絵。真奈さんが袋からたくさんの原稿用紙を取り出す)
 『その後、子供たちから授業の感想文が届きました。真奈さんは柔軟な心に感動したと言います』
 (真奈さんが、隣に座っている秀匡さんに原稿を読み聞かせている。原稿の文字には、特に読んで欲しい箇所に、先生がつけたと思われる棒線が付けられています)
 真奈(原稿の一部を読む)「盲ろうの人や、目が見えない人に、きれいな青空を見せてあげたいなと思いました」「私はためしに、目をつぶって、耳をふさいでみました。何も見えず何も聞こえず、少し恐くなりました」
 (家族4人で道を歩く渡井一家。長男がお父さんの手引きをし、真奈さんは娘を抱っこしている)
 『盲ろう者を知ってもらうための授業を始めて5年、渡井さん夫婦は、子供たちが自然に障害者と接してくれることを望んでいます。これからの時代、盲ろう者が社会に出て行くためにも、子供たちの理解が進んでほしい。真奈さんはそう願っています』
 (公園でブランコに乗る子供二人を見つめている真奈さんと秀匡さん)
 (画面は、スタジオに戻る)
 内山「真奈さん、子供たちの感想文を読んで、いかがでしたか?」
 真奈「自分は目が見えて、耳が聞こえて、自由な体があってよかったっていうふうな感想があったんですね。とてもお子さんらしい素直な感想だと思いますね。今まで本当に当たり前すぎて気がつかないことなんですけど、普通に見えて聞こえるって言うのが、とても恵まれたことだってことに気がついてくれてよかったと思います」
 内山「秀匡さんはいかがでしたか?」
 秀匡「そうですね、どうしても大人だと遠慮してしまうことが多いと思いますけど、子供たちは自分が感じたことをそのまま表現されていると思うんですね。その気持ちはとても大事なことで、大人になったときにきっと、自分は恵まれているんだっていうことを実感してもらえればいいかなと思うんですね」
 内山「そういった子供たちの素直でやさしい気持ちが、そのまま育ってくれるといいですね。では真奈さん、今後の抱負をお聞かせください」
 真奈「そうですね、盲ろうの方と出会う会で、私はいつも紙芝居をやっているんですけど、その紙芝居が今後、もしできたら、絵本になったらいいなと。そうするとそのお子さんやそれを読んだ親御さんも、盲ろうの方を知っていただきえるかなって思っています」
 (大きな紙芝居を子供たちに見せている真奈さん。紙芝居の絵も何枚か写る)
 内山「秀匡さんは、当事者の立場として、いかがですか?」
 秀匡「われわれ盲ろう当事者も、いろいろ盲ろうのことを知ってもらおうと活動していますけれども、なかなか子供たちと出会う機会が無いんですね。でも、こうやって妻が学校で盲ろうのことを紹介してもらったり、将来絵本を出してですね、子供たちに読んでもらえれば、自然な形で、盲ろうのことを知っていただけると思うのでぜひ頑張ってほしいなと思います。僕もできることはお手伝いしたいなと思います」
 内山「私も今後の活動、期待しております。今日はお話、どうもありがとうございました」
 渡井夫妻「ありがとうございました」

 

[先月] [目次] [来月] [最新版] [トップ]

感想メールはこちらへお願いします
Akiary v.0.51